親子共有名義の住宅ローンは、メリットとデメリットの両方をしっかりと考慮する必要がある選択であることをご存じでしょうか。
本記事では、親子共有名義のメリットとデメリット、注意するべきポイントを併せてご紹介します。
1.借入可能額の増加
親子共有名義の場合、親と子供の収入を合算して住宅ローンの審査が行われるため、借入可能額が増えます。
これにより、子供が単独での借入額に達しない場合でも、親の収入がサポートとして活用されます。
2.借入可能年数の延長
通常、金融機関は住宅ローンの完済を70歳前後に設定しています。
親子共有名義の場合、子供の年齢が考慮され、借入可能な年数を延ばせます。
1.早い親の死亡による子供の負担増加
親子共有名義の場合、返済計画よりも早く親が亡くなると、子供が返済を引き継ぐ必要が生じ、負担が増加します。
団信には子供が加入するため、親の早期死亡時にローンが未払いのまま残ります。
2.兄弟がいる場合の相続トラブル
親からの援助で共有名義の不動産を購入する場合、他に兄弟がいる場合、親の死亡時に不動産の共有が生じ、相続トラブルの可能性が高まります。
3.共有者間の合意が必要
共有名義の不動産を処分(売却)するには、全ての共有者の合意が必要です。
子供が不動産を手放したい場合でも、親が同意しない場合、処分が難しい状況が発生します。
4.延滞による請求リスク
親子共同での住宅ローン契約では、一方の当事者が支払いを滞らせた場合、もう一方に請求が発生する可能性があります。
したがって、返済を適切に管理しないと、支払いに関するリスクが存在します。
1.ローンの支払いは長期にわたる可能性がある
親子共有名義の住宅ローンでは、親が亡くなったり、働けなくなった場合でも、子供が支払いを続ける必要があります。
退職や収入の変動に備えて計画を立てることが大切です。
2.団信の加入に注意
多くの場合、団信(団体信用生命保険)に加入することが必要です。
しかし、団信の加入者は子供が多いため、親が亡くなってもローンが一括返済されません。
この点を考慮しておく必要があります。
3.贈与税に関する問題
親のローン返済に子供が貢献する場合、税法上は贈与とみなされる可能性があります。
年間の贈与額に基づいて贈与税が課税されることがあるため、税務申告が必要です。
共有名義の不動産を処分するには合意が必要であり、支払いの延滞による請求リスクもあります。
そのため、この形式の住宅ローンを選択する際には慎重な検討が必要です。
親子共有名義の注意点として、ローンの支払いが長期にわたる可能性があること、団信の加入に注意が必要であり、贈与税に関する問題も発生する可能性があることを覚えておいてくださいね。
本記事が親子共有名義について理解を深める参考になれば幸いです。