共有名義の土地は、多くの人々にとって大切な資産ですが、その売却には複雑な規則と合意が必要です。
通常、共有名義の土地を売却するには、全ての共有者の同意が必要ですが、いくつかの方法を駆使することで、円滑に売却を進められます。
本記事では、共有名義の土地を売却するための基本原則と方法について説明します。
土地の共有名義の場合、通常は共有者全員の同意なしに売却することはできません。
共有名義とは、1つの不動産を複数人で所有しており、各共有者が所有権の一部を持っています。
共有名義の土地を売却する際には、原則として全ての共有者の同意が必要です。
ただし、自身の所有分に関しては、他の共有者の同意を得ることなくいつでも売却可能です。
さらに、土地を貸し出す、抵当権を設定するなどの変更行為を行う場合も、他の共有者からの同意が必要です。
また、土地の造成(例:農地を宅地に変更する)には、共有者全員の同意が必要です。
土地の価値を維持するための行為(例:雑草の草取り、建物の修理、不法占拠者を追い出す)は、各共有者が単独で行えます。
これは土地の保存行為に該当します。
1.土地全体を売却して代金を持分比率で分ける
共有名義の土地全体を売却し、売却代金を各共有者の持分比率に応じて分配します。
たとえば、5人で共有している土地を1,000万円で売却すれば、それを持分比率に従って分配し、一人あたりの分け前が異なります。
2.他の共有者に買取ってもらう
全ての共有者の同意が得られず、共有者の一人に持分を買い取ってもらう方法です。
しかし、価格交渉や相手の合意が必要で、価格が極端に安い場合、贈与税の問題が発生する可能性があります。
3.持分割合に応じて分筆してから売却する
建物のない土地の場合、各共有者の持分比率に応じて土地を分筆登記し、個別に所有権を確立してから売却できます。
これにより共有状態が解消され、売却がしやすくなります。
4.共有物分割請求してから売却する
共有名義の土地の売却に必要な共有者全員の同意を得られない場合、共有物分割請求訴訟を起こして共有関係を解消できます。
ただし、訴訟には費用と時間がかかり、裁判所の判断によって土地が競売にかけられる可能性があるため、最終手段と考えるべきです。
5.自身の持分を共有持分専門の買取業者に売却する
手間をかけずに共有名義の土地を売却したい場合、自身の持分を共有持分を専門に買取る不動産買取業者に売却する方法があります。
これにより、他の共有者との交渉や法的手続きを回避し、迅速に現金化できます。
共有名義の土地の売却は、共有者間での合意が必要です。
また売却するにあたって、共有者間のコミュニケーションが重要です。
共有名義の土地を売却する場合、上記で紹介した5つの方法のいずれかを選択することで、共有者間の利益を守りつつ、土地の売却を実現できるでしょう。