共有名義の不動産売買。
この言葉に耳を傾けたことがある方も、まだ未知の領域である方も多いでしょう。
共有名義とは、複数の人が1つの不動産を所有する形態を指します。
この記事では、共有名義の不動産売買において必要な「売買契約書」に焦点を当て、その重要性と注意点を解説します。
1:売買契約書とは何か
売買契約書は、売主と買主が不動産の売買に関する約束事やルールを文書化したものです。
法律上、口約束だけでも売買契約は成立しますが、高額な取引においては文書による明確化が求められます。
後々のトラブルを防ぐためにも、売買契約書は作成しましょう。
2:原本の数について
一般的には、売買契約書の原本は売主と買主でそれぞれ一通ずつ保管されます。
法的にはコピーでも問題ありませんが、後のトラブルを避けるためにも、原本を二通作成することが推奨されています。
3:不動産会社の役割
不動産会社を介して売買する場合、会社が売買契約書を作成するのが一般的です。
これは宅地建物取引業法によって義務付けられています。
個人間での売買の場合は、双方で話し合い、売買契約書を作成してください。
4:重要事項説明書
売買契約と並行して「重要事項説明書」も作成されます。
これは、買主に対して不動産の法令上の制限や契約事項を説明する文書です。
この説明は宅地建物取引士によって行われ、個人間での売買では作成できません。
共有名義の不動産を全体で売却する場合、共有者全員の同意が必須です。
さらに、売買契約書には全員の署名・捺印が必要となります。
この点を怠ると、後で法的なトラブルが起きる可能性が高まります。
共有名義の不動産は、他の共有名義者の同意がなくても、自分の持ち分のみを売却することも可能です。
しかし、これが新たな共有者とのトラブルを引き起こす可能性もあります。
そのため、共有持分の売買実績が豊富な不動産仲介会社を選ぶようにしましょう。
共有持分の売却には、登記済み権利証、土地測量図、身分証明書と住民票、印鑑・印鑑登録証明書が必要です。
これらの書類は、売買契約がスムーズに進むために不可欠です。
共有名義の不動産売買は、一般的な売買よりも複雑なケースが多いです。
売買契約書の重要性は言うまでもありませんが、共有名義特有の注意点もしっかりと理解しておくことが、後のトラブルを避ける鍵となります。
共有名義の不動産売買を考えている方は、この記事を参考に、より確実な取引を目指してください。