共有名義と区分所有、この2つの言葉は不動産の世界で頻繁に耳にするものです。
しかし、一般的にはその違いが明確に理解されていないことも少なくありません。
この記事では、共有名義と区分所有の違いを詳しく解説し、それぞれの特徴も解説します。
不動産投資や家族での資産管理に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
1:共有持分とは何か
共有名義とは、1つの不動産を複数人で所有する状態を指します。
この共有状態で各人が有する権利を「共有持分」と呼びます。
持分割合は、不動産を購入した際の出資割合によって決まり、この割合は登記簿謄本に記載されます。
例えば、5,000万円の不動産を夫婦で購入した場合、夫が4,000万円、妻が1,000万円出資したとすると、持分割合はそれぞれ「5分の4」と「5分の1」となります。
2:持分割合の確認方法
持分割合は、毎年4月から6月ごろに各市町村から交付される「固定資産税通知書」で確認できます。
ただし、この通知書は共有名義人の代表者1名にのみ交付されます。
代表者以外が確認する場合は、法務局で「登記事項証明書」を取得する方法もあります。
この証明書は全国の法務局で取得可能です。
3:共有名義の活用
共有名義人は、持分割合に応じて不動産を活用する権利があります。
例えば、賃貸経営を行う場合、収益は持分割合に応じて分配されます。
また、売却を検討する際も、全員の合意が必要となります。
1:区分所有権とは何か
区分所有とは、一棟の建物内に独立した複数の住居や店舗がある場合、それぞれの独立した部分の所有権を指します。
このような所有形態には「区分所有法」という法律があります。
この法律により、各部分はそれぞれ所有権の目的となります。
2:専有部分と共用部分
区分所有建物は、専有部分と共用部分で構成されています。
専有部分は、マンションの各部屋のように、各区分所有者が独立して利用する部分です。
共用部分は、専有部分以外の部分で、例えば廊下やエレベーターなどが該当します。
共用部分は、区分所有者全員または一部の共有となります。
3:共用部分に対する権利
共用部分に対する各区分所有者の共有持分は、専有部分の床面積の割合によって決まります。
この持分は、専有部分が移転する際にも、それに伴って移転します。
共用部分に対する持分は、専有部分を利用するために不可欠な権利です。
共有名義と区分所有は、一見似ているようですが、異なる不動産所有の在り方です。
共有名義は複数人での資産管理に便利ですが、権利関係を明確にする必要があります。
一方、区分所有は一棟の建物内で独立した所有権を持つことができ、専有部分と共用部分の概念があります。
どちらの所有形態も、その特性を理解し、賢く活用することが大切です。