住宅ローンを組む際には、対象の不動産を担保とする抵当権と呼ばれるものが設定されます。
ローンを完済すれば、抵当権を抹消できるようになります。
この記事では、抵当権の抹消がなぜ重要なのか、そしてその手続きにどのような費用が関わってくるのかについて解説します。
抵当権を抹消しない場合、その影響は主に以下の三つの点で顕著になります。
1:新たなローンの条件が悪化する
抵当権が残っている不動産では、新しいローンを組む際に不利な条件が提示されることがあります。
これは、金融機関が既存の抵当権を優先して考慮するため、新たに設定される抵当権は下位に位置付けられ、それが条件の悪化を招くのです。
住宅ローンを完済しているのにもかかわらず、わざわざ悪い条件でローンを組むのはもったいないでしょう。
2:抹消費用が高騰する
抵当権の抹消を長期間放置することで、いざ抹消が必要になった際には通常よりも手間や費用がかさむことがあります。
特に、抵当権設定時の金融機関の担当者が変更されている場合は、手続きが複雑になる傾向が高くなります。
3:不動産売却時に問題が発生する
抵当権が設定されたままの不動産を売却しようとすると、売却プロセスが複雑化し、買主を見つけにくくなる可能性があります。
抵当権が抹消されていない不動産は、買主にとってリスクになるためです。
実際には差し押さえられる心配はありませんが、登記上に残っているとやはり不安要素になります。
抵当権の抹消には、主に次の二つの費用がかかります。
1:登録免許税
抵当権抹消登記の際には、法務局への登録免許税が必要です。
この税金は、不動産1個につき1000円となっており、土地と建物の抵当権を圖司に抹消する場合は2000円が費用としてかかります。
2:司法書士費用
抵当権抹消登記は専門的な知識を要するため、通常は司法書士に依頼することになります。
司法書士に支払う費用は事務所によって異なりますが、5000円~1万5000円が目安です。
このように、抵当権の抹消は単なる手続きではなく、将来の不動産活用や金融取引において重要な役割を果たします。
抵当権を抹消しないことで生じる様々な不利益を理解し、適切なタイミングで手続きを進めることが推奨されます。
特に、不動産を担保にした新たなローンを考えている場合や、不動産の売却を予定している場合には、抵当権の抹消を優先的に考えるべきでしょう。
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